全てを忘れたその後に


あけみさんからいただいた昔のムジカの門田インタビューを改めて読みました。
やっぱり私は間違ってなかったんだなぁと気付かされた。真摯に向き合っていたお陰だ。本当は1?も理解できていないかもしれない、だけれども少なくとも違う方向を向いているわけではない。

私はちゃんと離れないで傍に居ることができた。

もう少し遅かったら、この今インタビューを読み返していなかったらと思うとゾッとする。大切なものをまた砕いて棄てなければならないところだった。

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貴方や、また別の貴女と、誰かの作り出す音楽との出会い方はきっと、様々な瞬間に行われたのだろう。それは私には到底触れることのできない手段をもって。

それがどんな出会い方であったにせよ、貴方や貴女が今その音楽を心から愛せているのは紛れもなく運命なのだと私は思う。

もしもあなたがその音楽から離れてしまうようなことがあっても、それは悲観すべきことではない。あなたはそこに縛られることなくまた別の世界に出会うことができたのだ。それがどんなに怠惰な世界でもいい。あなたがかつての世界に戻ることがなくたっていい。それは少しだけ寂しいことだけれども、あなたはそこに存在していて、全ての世界からあなたが失われたわけではない。
全てに干渉されなくなった世界はどんな色をしているのだろう、どんな風が吹くのだろう。色も風もそこには居ないのだろうか。
私たちがその失われた世界に向かうのはまだ遠い先でいい。それまでに沢山の色や風を肌や心で感じ取ろう。いつかその世界にたどり着いてしまったときにかつての世界を思い出して語り出せるように。

あなたはいつだって道筋のない地図を広げ、新しい世界に向かうことができる。かつての世界にまた声をかけに、大切なことに目を向けに帰ることもできる。かつてのその世界を知る私たちなのだから。


さあ私はもう一度、いや、もう三度ほど、愛しの街GOLDEN BELL CITYへの道を辿るとしよう。貴方も一緒に来るかい?